栗原和枝研究室

東北大学 未来科学技術共同研究センター(NICHe)多元物質科学研究所

研究業績

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研究論文

共振ずり測定法によりハイドロゲルの摩擦機構を解明

H.-Y. Ren, M. Mizukami, T. Tanabe, H. Furukawa and K. Kurihara, “Friction of Polymer Hydrogels Studied by Resonance Shear Measurements”, Soft Matter, 11, 6192-6200 (2015).

ゲルの優れた性質の一つは高い潤滑性で、摩擦係数が10-3以下の値を示すものも報告されている。しかし、従来のゲルの摩擦の研究は、平面同士の等速滑りに対する摩擦に限られ、非球面形状において生じる接触部の変形の効果は検討されていなかった。本研究では、DNゲル(PAMPS/PDMAAm)と球面石英間の摩擦特性を共振ずり測定法により評価し、共振カーブの物理モデル解析より、球面石英とゲルとの摩擦力は主に接触部の弾性変形により生じる力に起因することを明らかにした。ゲルの摩擦を理解するためには弾性変形の効果を考える必要があり、ゲルを用いた潤滑材料の設計において重要な要素であると考えられる。

バルクおよびナノ空間に閉じ込められたフェニルエーテル系潤滑油の潤滑特性評価

(A) J. Watanabe, M. Mizukami, K. Kurihara, “Resonance Shear Measurement of Confined Alkylphenyl Ether Lubricants”, Tribol. Lett. 56, 501-508 (2014).

共振ずり測定法を用いて、雲母表面間に閉じ込められた4種類のフェニルエーテル系潤滑油の粘性をバルクからナノ薄膜状態まで連続して評価した。約20 nm以下で全ての潤滑油は粘性増大を示し、特にバルク粘度の最も低い潤滑油が最も顕著な粘性増大を示し、表面間距離3 nm以下では最も高い粘性を示した。この結果は、流体潤滑に適した低粘度潤滑油は、高荷重下では潤滑性を失い易いことを示しており、流体潤滑から境界潤滑まで低い摩擦を保つための潤滑システムを検討する基礎的な知見を与えた成果といえる。

電気化学表面力装置の開発とそれを用いた電極特性評価

(A) Kasuya, M.; Kurihara, K. “Characterization of Ferrocene-Modified Electrode Using Electrochemical Surface Forces Apparatus” Langmuir, 30, 7093−7097 (2014).

(B) Kamijo, T.; Kasuya, M.; Mizukami, M.; Kurihara, K. “Direct Observation of Double Layer Interactions between the Potential-controlled Gold Electrode Surfaces Using the Electrochemical Surface Forces Apparatus” Chem. Lett. 40, 674-675 (2011).

電気化学的電位を制御した電極表面間の相互作用測定が可能な電気化学表面力装置(EC-SFA)を開発した。これまでに報告されているEC-SFAは透過光を用いる等色次数干渉縞法により表面間距離を決定するために電極と雲母の相互作用のみが観測可能であったが、本装置では不透明基板が測定可能なツインパス型表面力装置を用いることで、定量的な解析が容易な電極表面間の相互作用測定が初めて可能となった。
また開発した装置を用いて、電解質水溶液中におけるフェロセン修飾電極表面の評価を行った。電極間に働く電気二重層斥力を測定し、その大きさからフェロセンの酸化に伴う表面電荷密度の変化を定量的に見積もった。またアニオンの種類を変えて同様の見積もりを行い、酸化フェロセンと対イオンのイオン対形成割合に及ぼすイオン種の影響について定量的に評価した。イオン対形成割合はCF3SO3- < SO42- < NO3- < ClO4-の順となり、最も低いCF3SO3-の場合で95.9 %となったことから、電極表面のフェロセンの電荷のほとんどはイオン対形成により打ち消されることが明らかとなった。

閉じ込め液晶への電場効果

(A) S. Nakano, M. Mizukami, K. Kurihara, “Effect of Confinement on Electric Field Induced Orientation of a Nematic Liquid Crystal”, Soft Matter 10, 2110-2115 (2014).

固体表面間のナノメートルレベルの隙間に閉じ込められた液体 (液晶) が層状構造を形成したり、著しい粘度上昇を示す“閉じ込め効果”は、科学的に興味深い課題で、様々なデバイス応用にも重要であるが、その物理化学的な機構は解明されていない。ナノ共振ずり測定法を用い、雲母表面間に閉じ込められた液晶分子の運動性を調べ、約13 nm以下の狭い隙間に閉じ込められた液晶分子はほとんど動けない状態となり (粘度はバルク閉じ込められていない状態と比べて1000倍以上にも上昇)、外部から電場 (1.9 kV/mm) を与えても分子の配列を制御できないことを明らかにした。

ナノ空間中のイオン液体の特性評価

(A) F. F. Canova, H. Matsubara, M. Mizukami, K. Kurihara, A. L. Shluger, “Shear Dynamics of Nanoconfined Ionic Liquids”, Phys. Chem. Chem. Phys. 16, 8247-8256 (2014).

(B) K. Ueno, M. Kasuya, M. Watanabe, M. Mizukami, K. Kurihara, “Resonance Shear Measurement of Nanoconfined Ionic Liquids”, Phys. Chem. Chem. Phys. 12, 4066-4071 (2010).

イオン液体の電気化学デバイスや潤滑などへの応用には、ナノ空間中や界面でのイオン液体分子の構造・配向が重要で、その解明と制御が求められている。表面力・共振ずり測定法によりシリカ表面間のイオン液体[C4mim][NTf2]、[C4mim][BF4]の評価行った。どちらのイオン液体ともに閉じ込めにより著しい粘性増大を示し、粘性の大小関係がバルクと逆の[C4mim][NTf2] > [C4mim][BF4]となることを明らかにした。この結果は、シリカ微粒子を分散させたイオン液体の粘性の違いを与えたものであり、ナノ計測がマクロな材料の物性の解明に有効なことを示す研究例である。
理論グループとの共同で、シリカ表面間のイオン液体の構造と摩擦特性を計算機シミュレーションから評価した。[C4mim][BF4]はアニオン層とカチオン層が交互に重なる構造を形成し、せん断により層間の滑りが起こってもエネルギーの変化が小さく低摩擦を示し、[C4mim][NTf2]は同一層内にアニオンとカチオンが存在するチェッカーボード構造を形成し、せん断により構造の乱れが生じ高摩擦となるという結果を得た。これは、閉じ込め液体の粘性・摩擦特性に分子的な説明を与えた成果である。

液体ナノ薄膜のX線回折測定

(A) S. Nakano, M. Mizukami, N. Ohta, N. Yagi, I. Hatta, K. Kurihara, “Structural Change in Smectic Liquid Crystal Nanofilm under Molecular-Scale Confinement Measured by Synchrotron X-ray Diffraction”, Jpn. J. Appl. Phys. 52, 035002-1-4 (2013).

液体ナノ薄膜の特性と構造の相関を明らかにすることを目的として、表面間距離の精密な制御できる表面力装置を元に、液体ナノ薄膜のX線回折測定がSPring-8の高輝度なX線を用いて行える装置を開発した。この装置により、厚み約2 nmのスメクチック液晶8CBの一軸配向したラメラ周期に対応する回折ピークを観測できた(既報の最小液膜厚みはμmレベル)。また、時間経過に伴いピーク強度の減少、半値幅増大を観測しており、表面の接近過程で流動配向した8CBの構造規則性の時間経過に伴う緩和を観測できた。

界面水の研究① ~ナノメートル空間中の水の粘性、潤滑特性評価~

(A) Motohiro Kasuya, Masaya Hino, Hisho Yamada, Masashi Mizukami, Hiroyuki Mori, Seiji Kajita, Toshihide Ohmori, Atsushi Suzuki, Kazue Kurihara, “Characterization of Water Confined between Silica Surfaces Using the Resonance Shear Measurement", J. Phys. Chem. C, 117, 20738-20744 (2013).

(B) H. Sakuma,K. Otsuki, K. Kurihara, "Viscosity and lubricity of aqueous NaCl solution confined between mica surfaces studied by shear resonance measurement", Phys. Rev. Lett., 96, 046104 (2006).

固体表面に挟まれた厚みナノメートルスケールの水の粘性・潤滑性は、生体内での潤滑や断層すべりによる地震発生など幅広い現象で重要であるが、ナノメートルスケールの厚み水の粘性に関しては、実験装置や研究者により結果が異なっており、統一的な描像が得られていなかった。
そこで雲母表面間に挟まれた水(NaCl水溶液)の摩擦・潤滑特性を共振ずり測定装置により研究した。水の粘性は表面間距離2 nm以上ではバルク水と変わらず、表面間距離1 nm以下で雲母表面に吸着した水和Naイオン間の摩擦により、急激に増加(バルク水の102~104倍)することを観測した。しかしながら、この水は依然として高い潤滑性をもち、膜厚1 nmの薄膜水が潤滑剤として働くことがわかり、論争のあった厚みナノメートルスケールの水の摩擦・潤滑特性に関して結論を与えることができた。
またシリカ表面間の水についても、表面Si-OH密度を変えて共振ずり測定による特性評価を行った。低Si-OH密度表面では、面圧0.3 MPa以下で摩擦が著しく増大したが、高Si-OH密度表面では面圧1.0 MPa近くまで摩擦増大が見られなかった。これらのシリカ表面上の水の構造を、分子レベルの界面選択性をもつ和周波発生振動分光法により評価したところ、高Si-OH密度表面では、氷で観測されるOH伸縮振動の波数(3200 cm-1)に一致するピークの増大が観測され、界面水がより強い水素結合ネットワークを形成することが分かった。水潤滑で優れた低摩擦性能を示す含シリコン材料(SiC, SiN, DLC-Si)ではSi-OHの水潤滑への関与が示唆されており、本研究によって高Si-OH密度シリカ表面の水は水素結合ネットワークを形成することで、髙い耐荷重性と優れた潤滑を示すという機構を提示できた。

界面水の研究② ~水のマクロクラスター~

(A) M. Mizukami, Kobayashi, and K. Kurihara, “Structuring of Interfacial Water on Silica Surface in Cyclohexane Studied by Surface Forces Measurement and Sum Frequency Generation Vibrational Spectroscopy”, Langmuir 28, 14284-14290 (2012).

2成分液体中の固-液界面に吸着した液体(例:アルコール)が、水素結合により形成する新奇分子組織体である「界面分子マクロクラスター」が、典型的な水素結合性液体である水においても形成されるのか?その構造や特性の相関は?といった課題に答えるため、表面力測定と和周波発生(SFG)振動分光法により、水-シクロヘキサン2成分液体-シリカ表面の水を評価した。水の飽和濃度(50 ppm)以下では、界面水は約50 nmの氷様構造で存在し (分子マクロクラスター)、過飽和条件では厚みは同様に約50 nmであるが液体様の構造へと変化する (相分離した液体水)ということを明らかにした。

界面分子マクロクラスター:固-液界面に形成される液体組織化構造の分子論的研究

(A) M. Mizukami, G. Zhong, L. Zhang, I. Fukuchi, K. Kurihara, “In-Situ Polymerization of Molecular Macroclusters on Silica Surface: Poly(N-Isopropylacrylamide) Nano-Films”Langmuir 2008, 24, 12364.

(B) M. Mizukami, Y. Nakagawa, K. Kurihara, “Surface Induced Hydrogen-Bonded Macrocluster Formation of Methanol on Silica Surfaces”, Langmuir 21, 9402-9405 (2005).

(C) M. Mizukami, M. Moteki, K. Kurihara, "Hydrogen-Bonded Macrocluster Formation of Ethanol on Silica Surfaces in Cyclohexane", J. Am. Chem. Soc., 124, 12889-12897 (2002).

(D) M. Mizukami, K. Kurihara "Long Range Attraction between Glass Surfaces in Cyclohexane-EthanoI Binary Liquids", Chem. Lett., 1005 (1999).

固一液界面にアルコールのクラスターが形成されることを発見した論文。シクロヘキサン-エタノール溶液中でのガラス表面間の表面カを測定し、0.1 mol%程度の低アルコール濃度で数10 nmに及ぶ長距離引力を観測した。さらに吸着等温線ならびにATR-FTIR測定などから、表面の吸着層中では、アルコールが水素結合により10 nm以上に及ぶ直鎖状のマクロクラスターを形成していることを見いだした。長距離引力の新しい機構を提示し、また固一液界面の液体の構造を分子論的に解明した先駆的な成果である。本報告に続き、同様な現象をメタノール、 プロパノールなどのアルコール、そしてカルボン酸や水でも見いだしている。
また、界面分子マクロクラスターの材料設計への応用として、重合性モノマー(アクリル酸、 N-イソプロピルアクリルアミド)をその場重合する新しい高分子薄膜調製法を開発した。この方法は簡便、低コスト、基板形状を選ばないという特長を有し、吸着分子種の構造・化学特性に基づき、厚さ・構造を制御したナノ薄膜調製法につながると期待できる。

炭酸カルシウム分散系の増粘機構の研究

(A) Yoshisada Kayano, Hiroshi Sakuma, and Kazue Kurihara "Nanorheology of Dioctyl Phthalate Confined between Surfaces Coated with Long Alkyl Chains", Langmuir, 23, 8365 - 8370, (2007)

(B) Yoshisada Kayano, Hiroshi Sakuma, and Kazue Kurihara "Effect of Water on Nano-rheology of Dioctylphthalate Confined between Surfaces Coated with Long Alkyl Chains", Trans. MRS-J., 32[2], 367 - 370, (2007)

炭酸カルシウムは日本にある数少ない天然資源のひとつであり、合成炭酸カルシウム(PCC)粒子をジオクチルフタレート(DOP)に分散させたDOPゾル はシーラント用粘度調整剤として使用されている。PCCを脂肪酸で修飾するとDOPゾルの粘度は大きく増大する。この増粘機構をナノ共振ずり測定から研究し、DOPゾルの増粘は溶媒であるDOPの増粘が原因であることを見出した。粒子分散系のマクロなレオロジー挙動をナノ計測から解明した先駆的な研究である。また、基礎科学研究で開発した計測法が、実用材料の研究にも適用できる興味深い例を示すことができた。

酵素-基質間相互作用を初めて直接的に観測

(A) T. Suzuki,Y.-W. Zhang, T. Koyama, D. Y. Sasaki, K. Kurihara, "Direct observation of substrate-enzyme complexation by surface forces measurement", J. Am. Chem. Soc., 128, 15209-15214 (2006).

(B) T. Suzuki,Y.-W. Zhang, T. Koyama, D. Y. Sasaki, K. Kurihara "Direct observation of specific interaction between enzyme-substrate complexes using colloidal probe atomic force microscopy", Chem. Lett., 33, 536-537 (2004).

表面力測定を用いて、酵素反応の素反応を解明しようとする論文。LB(Langmuir-Blodgett)法により二次元的に配向を揃えたたんぱく質間の相互作用を、コロイドプローブ原子間力顕微鏡を用いて直接評価する新規手法を確立し、生体分子間の相互作用を研究してきた。
この論文では表面力測定を酵素系に展開し、単独では酵素機能を持たないが、基質FPPとMg2+存在下のみで会合して酵素機能を発現しうるヘプタプレル二 リン酸合成酵素:HepPP synthaseを対象として研究した。この酵素は、FPPにIPPを順次縮合させ、炭素鎖延長を触媒する。酵素のサブユニットIおよびIIを、ガラス表 面に配向を揃えて固定化し、コロイドプローブ原子間力顕微鏡によりサブユニット表面間に働く力を直接測定した。さらに、基質のサブユニットに対する吸着量 測定と合わせて、酵素‐基質複合体が形成される時の反応機構について検討し、新しい知見を得た。

導電性を有する二次元分子鋳型膜による高感度分子認識

(A) T. Miyahara,K. Kurihara, "Electroconductive Langmuir-Blodgett films containing a carotenoid amphiphile for sugar recognition", J. Am. Chem. Soc., 126, 5684-5685 (2004).

(B) T. Miyahara,K. Kurihara "Two-dimensional molecular imprinting: Binding of sugars to boronic acid functionalized, polymerized Langmuir-Blodgett films", Chem. Lett., 1356 (2000).

特定の分子を分子認識を用いてつなげたり、また分子電線を分子組織体(ここでは単分子膜)に組み込むことは、分子デバイスなどのナノ機能材料の設計 に重要である。糖認識部位(ボロン酸)を親水基とする単分子膜に、電気を通す導電性の分子を組み込み、この分子を分子電線として用いて、糖の膜への結合を サイクリックボルタンメトリーで評価した論文。
糖認識部位を有するカロチノイド両親媒性分子を合成し、ボロン酸を親水基とする単分子膜に組み込んだところ、この膜が電気伝導性を示し、かつ、糖誘導体に選択的に酸化還元応答を示すことを、サイクリックボルタンメトリー測定を用いて明らかにできた。
さらに、この電気伝導性単分子膜と、我々が開発した二次元分子鋳型法を組み合わせることによる高選択性の糖化学センサーの開発を試みている。

高分子電解質ブラシ層の密度に依存した圧縮弾性率の転移

(A) T. Abe, N. Higashi, M. Niwa, K. Kurihara, "Density Dependent Jump in Compressibility of Polyelectrolyte Brush Layers as Revealed by Surface Forces Measurements", Langmuir, 15, 7725 (1999).

高分子電解質は、タンパク質やDNAなどの生体分子モデルならびに機能材料として重要であるが、高分子性、荷電、 対イオンの存在から複雑な特性を与え、物理化学的な理解は十分進んでいない。 LB(Langmuir-Blodgett)膜を用いて高分子電解質をブラシ状(二次元組織化)に並べ単純化し、表面力測定した。 立体力成分から得た高 分子電解質ブラシの圧縮弾性率の鎖密度依存性から、相互作用の転移を見いだした。閾値(0.20chain/nm2)より低密度側で高分子電解質鎖は固く、高密度側では柔らかくなる。実験データにより、 対イオンの結合が高密度側で強くなる対イオン凝縮の転移とするモデルを提案した。対イオン凝縮の解明は高分子電解質研究の重要な課題であり、高分子鎖上の電荷密度に凝縮の始まる閾値のあることが知られている。本研究は、 鎖間距離にも凝縮状態の変わる閾値が存在することを見いだしたものである。

限定ナノ空間中の構造化挙動の評価ための新規手法開発

(A) C. D. Dushkin, K. Kurihara, "Resonance Shear Force Rheometer Modeled as Simple Oscillating Circuit", Rev. Sci. Instrum., 69, 2095 (1998)

(B) C. D. Dushkin, K. Kurihara, "Nanotribology of thin liquid-crystal films studied by the shear force resonance method”, Colloids & Surf. A, 129-130, 131 (1997).

表面からバルクに至る液晶の構造化の探さ方向の情報を、直接観察できる新手法を開発した。表面に平行なずりを与え、その変位を測定する装置を製作して表面力装置に組み込み、ノイズに強く、物理モデルに基づいた解析が可能な共振法を採用した。表面間に液晶をはさみ、液晶薄膜の厚み(表面間距離)をナノメートルレベルで変えながら測定すると、液晶の構造化に従い共振周波数ならびに強度が変化する。また、最近接距離では液晶分子の表面へのアンカリング強度を見積 もることができる。表面特性による液晶の配向制御の研究へ、応用が期待される。

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