研究概要
栗原研究室では、表面力測定法を中心手段として利用し、表面や界面の分子レベルでの構造ならびに物質及び分子間の相互作用を具体的に理解する新しい物性研究分野を拓いてきました。さらに、ナノ界面評価法を極めるべく、装置の高度化や新しい装置の開発を行い、分子論に基づく新しいナノ界面基盤技術の構築をめざしています。
表面力測定とは…
2つの表面の間に働く相互作用をその表面の間の距離を変えて直接測定するもので、相互作用力の距離依存性がえられるために、力の起源の解明に威力を発揮する。表面力装置(Surface Forces Apparatus, SFA)では、バネばかりの原理を用い、光干渉法等でバネの変位を精密に測定することで、距離0.1 nm、力10 nNという高い分解能が得られます。
表面力測定は、従来、コロイド界面化学における微粒子間相互作用力の直接測定のために開発され、その理解に役立ってきた。それに対し、我々は主に以下の研究を行い、表面力測定の新しい限界(課題)に挑戦しています。
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代表的な研究テーマ
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1. 生体分子間相互作用の直接測定、機能発現機構の解明
課題:どこまで相互作用の特異性を識別できるか?
酵素反応の素反応の解析、基質の選択性 -
2. 複雑な系の物性評価:高分子を2次元ブラシ層として力学特性評価
課題:分子1個の硬さを測定出来るか? -
3. 固‐液界面における液体のナノ構造形成評価:界面分子マクロクラスター
課題:固‐液界面における液体の分子論の構築 -
4. 新規ナノ界面評価法の開発:界面評価法を極める
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研究内容
1. 生体分子間相互作用の直接測定、機能発現機構の解明
コロイドフローブAFM法を用いて、複合体形成により機能を発現すると考えられている
酵素のサブユニットを表面に配向をそろえて固定化し、基質存在下で相互作用を測定
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2. 複雑な系の物性評価:高分子を2次元ブラシ層として力学特性評価
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3. 固‐液界面における液体のナノ構造形成評価:界面分子マクロクラスター
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4. 新規ナノ界面評価法の開発:界面評価法を極める
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